2025年4月、日曜劇場「キャスター」第3話で、のん(能年玲奈)さんがゲスト出演することが大きな話題となっています。
なぜ、それほど話題になるのかといえば、2015年に起こった事務所トラブルで、地上波のドラマにでることが11年ぶりだというのです。
一部報道では、旧事務所との確執が影響し、改名を余儀なくされ実名も使えず、テレビへの出演はほぼゼロになり「干された」との声も少なくありませんでした。
しかし、ここ数年ののんさんは、映画出演で日本アカデミー賞主演女優賞受賞や、配信ドラマでは話題作に次々出演し「復活」といっても過言ではないほどの活躍ぶりです。
今回は、のんさんの元事務所トラブルの契約内容、不遇の時代、のんさんの支援者・福田氏が仕掛けた復活劇までを振り返ります。
のんの事務所トラブル時はどんな契約だった?
引用:芸トピ https://geitopi.com/ 2018/10/19
「能年玲奈」時代に起きた事務所との対立
2013年、NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』で一躍国民的女優となったのん(当時は能年玲奈)さんは、爽やかな存在感と透明感のある演技で、多くの視聴者を魅了しました。
しかし、そんな絶頂期の彼女を襲ったのが、当時所属していたレプロエンタテインメント(以下レプロ)との契約トラブルでした。
レプロエンタテインメントは、現在もたくさんの有名なタレントを抱える有名芸能プロダクションで、かつては、新垣結衣さんも所属していましたが、結婚を機に契約を終了しています。
女優としての自由な活動を求めていたのんと、所属事務所との間には次第に溝が生まれていきます。
2015年には契約更新を巡る意見の対立が表面化し、のんさんがレプロを離れる意向を示したことで、事務所側との関係が悪化。
事務所ではのんさんがどのような状態だったのかは、のんさんの記事をめぐって、レプロは「週刊文春」に名誉毀損訴訟を起こしているのですが、その中で事実と認定されたことからわかりました。
・「あまちゃん」放送開始当初まで彼女の給料は月給5万円だった(放送3カ月の時点で20万円に増額、賞与も支給された)。
・能年は契約を更新しないことを希望する旨の通知をしたが、事務所は受け入れなかった。
引用:https://www.douban.com/note/781749636/?_i=5205116I7AQz6a
のんさんが困窮していたことや、仕事をしたいのにさせてもらえない、社長のパワハラもあったとも記事にはあったようですが、これに関しては真実相当性が認められなかったようです。
さらには「洗脳されている」との報道が大々的に広まり、当時のメディアはその騒動を面白おかしく取り上げました。
前事務所との契約内容は信じられない内容
引用:JCASTニュース https://www.j-cast.com/2023/09/30469819.html
コンサルティング会社「スピーディ」の福田淳社長は、2016年4月から俳優・のんさんのエージェントを務めています。
2023年9月ののんさんについて語ったインタビューで、福田社長は以下のように語っています。
ある出版エージェントの友達から「なかなか日本の芸能で困っているよ」という話があって会ってみたら、本当に信じられないような内容でした。いわゆる奴隷契約と申しましょうか、低賃金で移籍の自由もなく、本名が使えないとか…。うちの弁護士はハリウッドの契約を見てきた弁護士ですが、その内容には驚愕していました。
引用:JCASTニュース https://www.j-cast.com/2023/09/30469819.html
また、福田社長は、のんさんに、契約の事実として「サインしてしまっているので、本名使えないみたいですよ」と伝えました。
本人は次の日に「NON」って書いてきて、「これ、小文字にしたら絵文字の笑顔に見えますから」ということで「私のことは『のん』って呼んでください」。 それから7年が経ちました。
引用:JCASTニュース https://www.j-cast.com/2023/09/30469819.html
福田社長は同じ記事で「そんなひどいことが21世紀に起きるものなのか、今でも信じられません。同じくらいの年の娘がいるんですよ。子どもを持つ父としても、正義感からしても、のんに起きていることは許せないと思いました。」と語っていました。
一方、事務所側の話は・・・
「独立騒動が起きたとき、事務所が彼女の仕事を干している、という話がありました。それはちょっと違います。」という、芸能プロ関係者からの話もあります。
実は当時、のん(能年玲奈)さんが事務所に申し入れた仕事上のNG条件もいくつかあったようで、そのせいで事務所が仕事を取りにくかった事実もあったようです。
NG条件中には“ラブシーン”や“演じたくない役柄”、“共演NGの俳優”などがあったと聞いています」
引用:週刊女性プライム https://www.jprime.jp/articles/-/12180
両社、決着がつかないのは、それぞれに言い分があるからのことですし、これが事実であれば、確かに事務所としては、仕事を選びにくくなるのは否めない。
2015年から続くトラブルはそのあとも長く続きましたが、2018年4月中旬、レプロのホームページからやっと彼女の名前が削除された。
ホームページを新しく作り変えることになり、さすがにもういいかな、というところじゃないでしょうか。あれから2年もたちますしね。芸能事務所の雇用形態が問題になったりしていますから、ブラックのイメージがついてしまっても困りますしね。ただ和解したわけではありません。まだ決着はついてないようです。
引用:週刊女性プライム https://www.jprime.jp/articles/-/12180
のんの復活を支えた福田淳氏の存在
引用:スピーディーホームページ https://spdy.jp/news/s140863/
2016年、レプロとの契約終了後、新しい芸名「のん」で再出発を図りますが、芸能界での露出は激減しました。
一部報道では、旧事務所との確執が影響し「干された」との声もあり、テレビへの出演はほぼゼロ、映画や舞台のオファーも限られたもので、一時は“芸能界から消えた”とも言われるほどの状況に追い込まれました。
当時は、事務所を離れることのリスクの大きさ、そして芸能界の見えない力関係の存在が浮き彫りとなりましたが、福田淳氏との出会いで、のんさんは現在につながる快進撃をたどることになっていきます。
福田淳氏がマネジメントを引き受ける
のんさんの復活劇の立役者として語られるのが福田淳氏であり、元ソニー・デジタルエンタテインメント社長で、クリエイティブな分野において豊富な経験を持つ人物です。
福田氏はのんさんの事務所社長ではなく、のんさん個人の事務所「non inc.」の設立をサポートし、エージェントとして、従来の芸能事務所の枠組みにとらわれない自由な活動スタイルを確立していきました。
女優としてだけでなく、アーティストや表現者としてのんさんが自分らしくいられるよう、徹底してサポートしたことで、2016年以降は、彼女の可能性は再び開花し始めます。
テレビだけがすべてではない活動方針
引用:のん公式インスタグラム https://www.instagram.com/p/DH3UgMlpbx-/?hl=ja
地上波のテレビに出られない状況が続く中でも、のんさんは音楽、ネット配信やインディーズ映画、舞台、アニメの声優など、さまざまな表現の場で活動してきました。
引用:のんOFFICIAL https://www.youtube.com/watch?v=27v836rQ5ho
ももいろクローバーZのファンでもあり、2023年の大晦日からは『ももいろ歌合戦』に出場するようになり、自身の持ち歌やメンバーと一緒に歌も披露している様子を、自身のYouTubeでも紹介している。
のんさんは『あまちゃん』で主人公・天野アキを演じた際は百田夏菜子を役作りの参考にしていたといい、「どんなアイドルなんだって考えた時に百田さんみたいになりたいなと思って研究させていただきました」と語っている。
とくに、2016年公開の映画『この世界の片隅に』での声優出演は高く評価され、のんさんの「実力派女優」としての再評価につながりました。
引用:まんたんウェブ https://mantan-web.jp/article/20191120dog00m200050000c.html
2018年7月期にTBS「日曜劇場」で「この世界の片隅に」がドラマ化される際には、のんさんの出演を期待する声も多くあがりましたが、3000人のオーディションの結果、女優の松本穂香さんがヒロインのすずを演じました。
やっぱりドラマには出れないのか、前事務所の力がまだ働いているのか、などの意見もありましたが、以下のような話もありました。
「実はネット上では、のんと松本がそっくりだと評判でした。そのため、のんの起用が難しいなら松本をという声が多かったのです」と先の放送関係者。
「で、ふたを開けたら、松本がヒロインに選ばれました。松本ならば、コアなファンからの反発も少ないでしょうし、この作品はのんのイメージが強かったので、それを守ったともいえるでしょう」
引用:イザ https://www.iza.ne.jp/article/20180508-WY6XMSUX35J4NOIRDPKBOMGV5E/2/
福田氏がエージェント契約をはじめた2016年以降は、のんさんはテレビだけがすべてではないという今の時代にフィットした活動方針で、多くのファンの共感を呼ぶことになります。
以前の活躍を知っている世代から、知らない若者にまでファンは広がり、のんさんは、SNSや独立系メディアを中心に再び注目を集めることになりました。
のんの活躍はエージェント福田氏への忖度?
引用:ニュースピック https://newspicks.com/news/9314904/body/
2023年末、福田淳氏がジャニーズの後継会社「スタート」の初代社長に就任したことが発表され、芸能界に衝撃が走りました。
ここにきて、のんさんの支援者でもある福田氏が、大手芸能事務所の舵を取ることになったことで「のん復活」との関係性が改めて注目されるようになりました。
のんがテレビに出られるようになった背景
引用:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/photo/AS20240410004707.html 旧ジャニーズ新会社初公演に5万5千人
ここ最近、のんさんのドラマ出演が徐々に増えてきており、バラエティへの出演も見られ「旧事務所への忖度が薄れてきたのでは?」との見方も。
また、旧ジャニーズの人気アイドルがたくさん在籍する「スタート社の福田氏」の存在が業界に影響を与えているのではと指摘する声もあり、芸能界の“力関係”に変化が起きつつあることを感じさせます。
旧態依然とした芸能界の構造、大手事務所による“芸能界の見えない力=忖度”は、これまで多くのタレントの自由な活動を妨げてきたと言われています。
しかし、SNSや配信メディアの台頭により、視聴者の声が直接反映される時代になりました。
のんさんの復活は、その象徴とも言える出来事かもしれませんね。
のんはここ2年休みなしで話題作出演の快進撃
引用:映画.com https://eiga.com/news/20220903/12/
日本アカデミー賞主演女優賞ノミネート
2022年に公開された映画『さかなのこ』では主演を務め、その演技力が高く評価、のんさんは第46回日本アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされ「実力派女優」として再び脚光を浴びました。
また、のんの起用がこれまた絶妙なのである。「ミー坊役の最適解」とさえ言い切ってしまえるほどのハマリ役。現在進行形で「自分の“好き”を貫いている」というパーソナルな印象も相まってか、ミー坊の魅力を格段にアップさせている。
引用:映画.com 映画批評(岡田寛司)https://eiga.com/movie/96792/critic/
DMM TVで主演「幸せカナコの殺し屋生活」の反響がすごい
引用:日経クロストレンド https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01029/00067/
2025年、DMM TVで配信中の『幸せカナコの殺し屋生活』でのんさんは主演をつとめました。
地味で冴えないOLが殺し屋として生きるという斬新な役柄に挑戦し、コミカルかつ切ない演技が話題となり、SNSでは「のん目当てでDMM TVに加入した」「これまでで一番のハマり役」といった声が続出。
各レビューサイトでも高評価を得ており、続編を期待する声も!

くすっと笑えるしかけがいっぱい。上司役の渡部篤郎さんも、クランクアップ時には「またのんさんに会いたい!」というほどメロメロでした。
11年ぶりの民放復帰!TBS日曜劇場『キャスター』出演
引用:TBS公式YouTuboo https://www.youtube.com/watch?v=r6WfbMAD6qw
2025年4月27日放送予定のTBS日曜劇場『キャスター』第3話で、のんさんのゲスト出演が発表され、11年ぶりの民放ドラマ復帰で大きな話題となっています。
主演の阿部寛さんとは、第37回報知映画賞新人賞を受賞した映画『カラスの親指』(2012)以来、12年ぶりの共演で、こちらも話題となっています。
のんさんが演じるのは“リケジョ”篠宮楓という誠実で知的な科学者役で、放送前からSNSでは「またテレビで見られるのが嬉しい」「演技が楽しみ」といった期待の声が溢れています。
のんはかわいそうなのか?2025年はさらに飛躍の年!
引用:のん公式インスタグラム https://www.instagram.com/p/DIl3yYHJQDE/?img_index=1
のんさんについては、地上波ドラマに出ることが大きな話題となるぐらい「テレビドラマに出られなくてかわいそう」という声があります。
しかし、エージェント契約をしている福田淳氏は、のんさんについてこう語っています。
元々僕はブランディングのプロでもあります。「能年玲奈」という「商品」は、それが自分の本名だったことが悲劇なのですが、「のん」という芸名に変えたことでブランディングは十分できています。
引用:JCASTニュース https://www.j-cast.com/2023/09/30469819.html
そのブランディングの成果が表れているといい、てっきり冷や飯を食わされていると思っていた世間の声に対しては、
全然かわいそうじゃないんですよ。たくさん収入はありますし、好きなことをやっていますし。
ずっと売れているので、常に2年先ぐらいまでほぼ休みなしで悲しむ余地がない、というのが実情です。(2023年当時)
すごく元気です。精神的にめちゃくちゃ強い、自己肯定感が200%ぐらいある人です。
引用:JCASTニュース https://www.j-cast.com/2023/09/30469819.html
2025年は大躍進!Netflixオリジナル映画『新幹線大爆破』の世界配信
引用:のん 公式サイト https://nondesu.jp/25031/
のんさんは今後も映画・舞台・アートの3つの柱で活動していくと明言。
2025年4月23日には、Netflixオリジナル映画『新幹線大爆破』の世界配信が予定されており、草なぎ剛との共演も大きな注目を集めています。
さらに、舞台のプロデュースや絵画・音楽活動も継続しており、自らの世界観を自由に表現する「表現者・のん」の姿が確立されつつあります。
「忖度を越えて」本当の実力で生き残る時代へ
のんさんのこれまでの道のりは、まさにその先駆け。SNSや動画配信を通じて直接ファンとつながり、本質的な価値で勝負するのが新しいスタンダードとなりつつあります。
のんさんは、まさにその象徴的存在なのだと思いました。
まとめ|のんの事務所トラブルで改名し実名使えない契約の真相と福田淳氏が仕掛けた復活劇!
今回は、のんさんの元事務所トラブルの契約内容、不遇の時代、のんさんの支援者・福田氏が仕掛けた復活劇までを振り返りました。
今の芸能界は、のんさんが事務所トラブルでつらい目にあったあの頃と少しずつですが変わり始めているかもしれません。
視聴者としては「事務所の力」よりも「本人の実力と個性」が評価される時代へと変わっていくことを願うばかりです。
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